NPO法人フリースクール
阿波 風月庵 -ふうげつあん-

「わからない」が、分からなかった親

面談でのこと、当時の私は、子どもの言う「わからない」が、分からなかったのですと、お母さん。

不登校・ひきこもりに何故なったの?これからは、どうしたいの?お母さんは何とかしてやりたいとの思いで、懸命に問いかけてみます。

子どもにすれば、責められ、叱られているとしか受け止められない様です。

「わからないものは分からない」と何度か答えますが、「ちゃんと言葉で説明して!」と問われ、繰り返えされます。子どもには答えが解っていて、何か知っている筈と思い込んでおられ「ちゃんと説明をして!」と、お母さんは連発されます。

そんな出来ない問いを何度も迫られる内に、「親は話を聞いてくれない」と子どもは悟り、親御さんに話をしたくなくなるのです。

話しても、親の納得出きる答えしか聴いてくれないと解り、それなら意味がないからと、しない決心をすることになります。元々争いごとも嫌いだし・・・だから、避ける ! だから、顔を合わせない!だから、話さないで澄む行動しかしない。

男の子って無口で、思春期からは特に母親とは口もきかなくなりますから?(父親とは、それ以前から話さない子どもが大半であるが)だが、無口な若者はこれまではいません。皆、徐々にお喋りになり、雄弁で文句を言う様になり、私を叱るまでになってきます。

そこで、家族間での会話のために、新たな試みを提案したいのです。

「わからない」というのが正直なところで、あの頃は言葉にできなかった。「それどころじゃない」と、いう気持ちもあったし、余裕がなかったと、ある若者から答えて貰いました。

再び会話を始めるには、些細なことでも、「今はわからない、言葉に出来ない。」こともあると、お互いに認めてみましょう。 そこから、始めてみませんか。  かぜ