NPO法人フリースクール
阿波 風月庵 -ふうげつあん-

訪問活動の手順

ご本人の了解を得てから、訪問を始める

当初は、始めから直接ご本人に訪問と言う形をしていましたが、途中から先ず、ご家族のみを対象に家族訪問をして、後にご本人も参加する形へとかえていくことになりました。

訪問の前に、3ヶ月間は、家族会や学習会に勉強に来てもらい、ご家族内の雰囲気の変化を伺っていきます。その流れから、そのご家庭の動き・関係性が見えてきます。

ご家族の様子が、風月庵に通い出して何かが変わります。ひきこもり青年は、その変化をキッチリと感じ取っておられます。

ご家族内の関係が緩んできた頃を見計らい、ご家族への訪問を、ご本人の了解を得られてから、始めることになります。この時期では、ご本人にはお会いしないのです。ご本人に話しを聴くことはしないのです。

ご家族の学習の為の訪問としてお伺いし、ご本人とはお会いしないことをお約束します。

そうして、ご家族への訪問が始まります。ご本人は、心配されているのですが、心配していたことは何も起こりません。毎週、人が尋ねて来て、帰っていきます。「なんだ、本当に自分に会いに来た訳ではないのだ。」と安心されていきます。

その内にご家族の笑い声が聞こえ、ゲームをしていると解ってきて、本人からのぞきに来る場合もありました。そんな動きが感じられた時に、「10分話を聞いてもらいたいらしいけど、どうする?」と、ご本人に聞いてもらいます。

ゲームか絵本を紹介します

ご本人の不安を抑え、少しの好奇心に期待を掛けます。そうなると、大概が会って下さいます。

本当に10分で切り上げます。私の自己紹介と、ご家族の雰囲気を変える目的だが、その効果の程をお尋ねします。 大概、黙々と聞いて下さいます。そうして20分、次は30分と増やします。

私は緊張して、うまく話せないので、絵本を読みますので聞いて下さい、一緒にゲームをして下さいとお願いします。殆どはゲームか絵本を紹介して終わります。ご本人とは30分お会いして、後半の30分はご家族とお話しをして、帰ってきます。

興味のある場所や体験を、一緒に始めます

何ヶ月かして、ご本人と話しが出来るようになってきますと、風月庵での活動の様子、どんな子が居るのか、前情報を徐々にお話し、風月庵の若者にも彼の情報を話します。

その仲間の一人を連れてきてもいいか?一緒にゲームをしないかと提案して、ご本人の了解をとれれば、仲間(メンバー)と一緒に遊びに行きます。

この頃はまだ、基本的には無言です。遊んでいる内に声が出て、表情も緩やかになってきます。

声が出始めたら、時々話しをし始めます。話しが弾む様になると、一緒に外へ出かける相談をします。

話の中から、興味の持てる場所や体験を、一緒に始めます。

よければ風月庵に来て、一緒に学ぶことを提案します。

各ご家族の状況や、ご本人との兼ね合いで、ここまでが数ヶ月~3年かかります。 かぜ