NPO法人フリースクール
阿波 風月庵 -ふうげつあん-

五感をフル活用して、感じてほしいな

人と話すときは、目を見て

唐突ですが、ワンちゃんやネコちゃんが、耳だけを後ろに向けたりする仕草ありますよね?

私ね、人間もこんな風に耳を動かすことが出来るといいのになぁ・・・

今日、ふと、そんなことを思いました。

活動で、息子さんがひきこもっておられるご家庭に訪問させてもらっています。そこで、お父さんが息子さんに「話しかけても返事をしない」「話していても目も合わせてくれない」と何度もおっしゃるのです。

お父さんの気持ちの中には、「人と話す時は、目を見て話さなければいけない」そんな意味合いのこだわりを、お持ちなのではと、お話の中から感じました。

「息子さんも、聞いてくださっていますよ」という私の言葉も、お父さんには伝わらないみたいです。

何年も会話もなく、必死の思いで、とても勇気を出して、やっと話しかけてみても、ずっと返事がない。

顔もそっぽを向いているままだったら、寂しいし・・悔しいし・・情けなくなるのも仕方ないですよね。

  耳だけをこっちにむけている

でもね、目を合わさなくても、返事をしなくても、話は聞こえていると思うんですよね。でも、今のお父さんには、返事をしないことは、目を合わさないことは、「話を一切聞いてない」ことになってしまっておられる様です。

どんな風にお話しすれば、「お父さんに、お伝えできるのか?」と、悩んでいました。

今日、ふと思いついて、犬や猫の耳の動きについて話をしてみました。「犬や猫が、そっぽを向いていて、耳だけをこっちにむけている。あれって、可愛いですよね~。」

「返事も反応もしないのに、耳だけをこっちに向けているんですもんね~」

「人間もあんな耳の動きができたら、息子さんが目を合わせてくれなくても、聞いてくれているかどうかがわかりますのにね。」お父さん、笑っておられました。

人間の体には、沢山の能力と機能が備わっている筈です。だから、耳が後ろに向く必要は、ないのかもしれないけど・・・。

言葉で伝えることよりも、言葉に乗せている気持ちの方が、相手の心に、より伝わるはずと信じています。

Ym