「親がかわる」と、子が動く ; ひきこもり中期(安定期)
他のご家族に、関わりをお願いする提案
「親がかわる」ということをお話しすると、これ以上は出来ませんと、お母さんは、訴えてこられます。
自分一人が何とかしなければと思い込み、頑張ってこられたお母さんに、これ以上何かをしてもらいたい訳ではないのです。
どちらかというと、これまではお母さんがされてきた関わりを減らし、他のご家族に、関わりを一つ一つお願いする提案なのです。
お父さんが怪我をして、いつも家に居る
P宅は、ひきこもっている息子さんの世話は、共働きのお母さんが、一手に引き受けておられました。
ある日お父さんが怪我をして手術をして、いつも家に居る状態になりました。
お父さんを嫌って家出した息子さんも、今は父と少し話が出来るようになっています。
お父さんも自分のことが出来ませんから、息子さんに頼むことになります。
息子さんも、下手に言ってくる父の依頼を機嫌よく引き受けておられました。
それで、言葉を交わすことが増えました。
息子さんに相談してみます
丁度そんな時、母が仕事上で移動する話が出ましたが、母は断ろうと決めていました。
しかし、これもいい機会なので、息子さんに相談してみますと、「食事や家のことは僕が引き受ける」と自分から決めてくれて、ご本人が積極的にやってくれるようになりました。
お互いが、支え支えられる関係が生まれ、家族間の心の動きが均等になってきたことが解ります。
徐々に、家族内の雰囲気は変わり、ある日、思い切って、買い物に出かけた息子さんは、その後、外に出かける様になりました。
同じことをしたらうまくいくとは限りません
「それじゃ、任せてみよう」と、お母さんが納得しても、具体的にご家族各々に応じたやり方を見つけ、工夫することの方が難しいものなのです。
別な家庭で、同じことをしたらうまくいくとは限りませんから。
でも、ヒントは必ずそこにあります。
それを見つけることは出来るはずです。
注;この話しは、プライバシーを守る観点から、いくつかの事例を合わせ一般化した内容です。