桜、舞い散ぃ~る
運転手さんは、どうしますか?
訪問しているTさん宅で、「この天気なら、花見に行くしかないでしょ!」と、私が声を掛けました。
迷いもなく「運転手さんは、どうしますか?」と、本人からの声が帰ってきて、即決で出かけることになりました。
Tさん宅の訪問は、3年目に入っていました。私たちの訪問活動中、急に切り出した提案に、即・行きますとは、まずなりません。口ごもって、返事もないことがほとんどです。
勿論、Tさんも、そんな感じだったので、私たちは驚いたのでした。
家族3人とスタッフ4名総勢7名で、さあ、出かけよう。
「先ずは、弁当とお茶」と、ホットモットで、各自好きな種類を選びます。
風月庵がある町から、隣町に入る橋の手前、左に入り込むと、神社に続く道沿いに桜並木が続いている名所を、三年前に、自転車で町内散策の途中に見つけていた花見スポットです。
並木に沿って土手を歩くと、桜の枝が伸び、桜のトンネルくぐる様に歩けるのです。
来年も、桜舞い散るこの場所に、誰かと
その土手に敷物を敷き、弁当を広げました。風はやや冷たいものの、陽射しは暖かくて、
気温は20度と上着は不要でした。
温かさが残るお弁当は、味わう毎に、体をゆっくりと包み込み、いつの間にか語らいの時間が過ぎていきました。
人気なのか、いつの間にかあちこちで人の輪が出来て、人々の声が増し、スマホを手にして撮影をする人の姿も増えてきました。
春空の下、桜の花びらが舞い散り、路上にピンクの模様が広がるのを眺めていました。
来年は、誰と、この場所に立っているのだろうかと、想いながら。 かぜ