男性性と女性性の思考バランス
多くのお父さんの考え方や態度、接し方は、社会を代弁しています。 また自律力を養うのも男性的関わりが役割を担っています。
そこで、ゆるやかにお母さんとの関係に距離をもたせつつ、お父さんとの関係をさりげなく増やすことを提案しています。
あるお父さんは、食後自室でパソコンに向かっていたのを、皆が居るリビングで作業をすることにしました。無理に話さず、一緒に何かをするのでもなく、お父さんが居ても、他の家族が気にならない雰囲気になるのを待ちました。すると何気ない会話から、家族がお父さんの存在に馴染み、お父さんも他の家族の趣味・嗜好・癖・話の傾向が分かってきました。
一緒にいると、コミュニケーションに関し、多くのヒントを入手できることを、双方から発見することになりました。
子どもがお父さんを嫌うからといって、子どもからお父さんを遠のけたままだと、母子間依存は深まり、子どもの自立性が育ちません。この状態が進むと、男女を問わず、母親が苦しめられる問題行動(暴力・暴言)へと発展することになります。
我が家は、父親が夜の仕事で、子供の時に父親の姿を見たことがありません。男性の世界観が知りたくて、父の職場に出入りし始めたのは高3の頃だと思います。
逆に、その頃から日曜が父の定休日になり、父が家に居るようになります。すると、私は受験勉強を理由にして自室にひきこもり始めました。
父親の話す内容は、実業家の視点であり、言葉から父親の愛情を感じられません。しかし、そんな戸惑いや疑問の感覚も、父親に伝える努力もしていませんでした。
そんな私は、社会で働く様になってからも、ずっと男の世界観に抵抗を感じていました。
いきすぎた表現と思いますが、ひきこもりは、父性性世界観を知らないまま大人になり、男性性と女性性の思考バランスが偏っていると思われるのです。
ゆるやかに男性的世界観を経験してもらうことが、そのバランスの修復にとって、大切なことだと考えています。つまり、「ひきこもりからの脱出」には、お父さんの役割が、重要な鍵を握っていると痛感しているのです。 かぜ