NPO法人フリースクール
阿波 風月庵 -ふうげつあん-

考えないこと

活動の現場と生活から;1

ご本人のことは、 ご本人に聴く・・・!

面接時に、「聞いてみたら、いかがですか?」と、お尋ねします。親御さんは決まって、「そんなことを聞いても構いませんか?」と、返して来られます。 そこで、私は「ご本人のことは、ご本人に聞くのが一番です。 ご本人への聞き方を練習しませんか」と、答えます。

まずは、親御さんが今までのことを気にし過ぎていて、「そんなことを聞くべきではない」「その一言で、今よりひどい状態になるのではないか?」 「怒られたらどうしよう」と取り留めのない不安を次々挙げて質問されます。

まだ質問をする前から、実行した時に起こりそうなマイナス事態に向け、先々と心配されている様です。

心配一杯の親と不安一杯の子供

そんな先々の心配する気持ちを持ちながら、子どもから話を聴いていても、自分の心配の判断基準が先に立ってしまいます。

そうならないかと心配することで、余計にその可能性があるような言葉を見つけ出して、興奮して、冷静に話しを聴き進めることが、出来なくなってしまいます。

そんな気持ちを敏感に感じ取ってしまう鋭い感性を、当の若者は、長年のひきこもり生活で養い、身に付けておられます。

そんな心配一杯の親と、不安一杯の子供が、信頼し、安心して話し合うことは、とても根気の要る作業が必要です。

まずは、話しかける者が、相手の気持ちを思いやり、かける言葉を選び話を進めます。

時間と共に、徐々に不安が少なくなって、信頼が生まれ、安心して、いろいろと話し合えるようになっていきます。

カウンセリングは、何に役立つの?

話し合えない状態にあるということは、お互いが話し合えない気持ちを相手に向けているからなのです。

そういう話し方も含めて、カウンセリングを学ぶと、心配しすぎていた考え方を修正・緩和していくことも、学習のステップと、考えているのです。

自分の気持ち・考えは誠意を持って説明し、相手に伝わりやすい言葉に変換して話すことが、私達に出来る工夫であります。

そんな話しやすい雰囲気を提供できるようになったならば、相手も安心と信頼の雰囲気の中、素直に話し始めてくれるものなのです。

相手のことは、相手に聴いてみないとわかりません。

何度も自分に、そう問いかけながら、カウンセリング力で聴く工夫に挑戦しています。       かぜ